その時は、意外にあっけなくやってくる。

以前にも記事にしたことのある統合失調症の女性。

同居の母親や、近所に住む独居老人を虐待、あるいは暴力をふるう。この対策に、ここんところ、かかりっきりだった。警察と相談しても、病院に相談しても、一向に埒が明かない。そんな感じ。

 

ダメ元でせも、相談を繰り返していこう

包括支援センターの職員がせ、そう提案した一言で、今日、病院へ行って、彼女の主治医と面談した。彼女の母親も連れていった。他には、福祉事務所の職員と、包括支援センターの職員、あと、母親が利用する施設のケア・マネージャー。

 

朝、彼女が受信する前に、主治医と通される。

最初、この面談を持ちかけてきた時、病院の対応は最悪だった。対応したのは、ケースワーカー。

そんなことしても無駄だ、とか、これは病気じゃなくて性格の問題だ、とか、一体市は病院に何をしてほしいの?、とか、お金が別途にかかるよ、とか・・・etc

まぁ、一言一言が、嫌味なのだ。

 

しかし主治医の女医先生は、いい人だった。

それは、診察の一環で見ましょうと言ってくれたのだ。

 

席につき、開口一番にボクは言った。

“服薬の状況を管理して、効果がなければ保護入院を考えましょうという話を先日しましたが、ここ最近、また暴力が頻繁になり、服薬確認もさせてくれない状況です。入院して服薬する習慣をつけてもらえれば、少しは落ち着くんじゃないでしょうか?”

主治医は、さらに母親の意思を確認した。母親も入院させたい旨の意思表示をした。

“分かりました。保護入院の手続きをとりましょう”

そう主治医が言ったとき、正直、自分の耳を疑った。

こんなにあっけなく決まるとは思ってなかったのだ。

 

それから数十分後、彼女が診察に来る。

ほどなくして、ボクと、福祉事務所の職員も診察室に呼ばれる。

“これで彼女にとって、ボクは、悪者になったな”と思った。

 

主治医は、まず、母親に対しての暴力について話を切り出す。

聾唖者なので、手話通訳を介しての会話になるが、相変わらず、彼女の主張は自分勝手なものだった。

“お母さんが悪い、お母さんは、殴られて当たり前”そんな類のことを繰り返す。

しかし、主治医は、お母さんの意思で、あなたを入院させるといい、廊下から病院の職員が3名入ってきて抵抗する彼女を取り押さえた。

保護入院という言葉を使うが、要するに、無理やり、強制的に入院させるのだ。

3人の病院職員につかまれて、鉄の扉がある隔離室に彼女は連れて行かれた。

 

それから、今後の手続きとか、入院に際して必要なものとか、いろんな説明を受ける。その場で、それぞれの役割分担を決め、各個に対応することを決めた。

これで一件落着といきたいところだけど、実は、そうはいかない。

何でかと言えば、彼女が暴力をふるう原因となっている、不安は、まったく解消されていないからだ。

 

職場に戻って、緊急の会議を行う。

入院中は、間違いなく服薬させるだろう。服薬して精神状態が落ち着けば、少しは会話になるかもしれない。できたら、入院中に、何度が面会し、彼女の不安を取り除くことができないか、と提案し、協力を求めた。

幸いに、福祉事務所も包括支援センターも同意してくれた。

それから退院後のケアについても、協議した。たぶん長くても2~3ヶ月、早ければ数週間で退院してしまう。

 

一件落着ではない。ステップを一歩進んだだけ。まだまだやる事は、たくさんある。

 

でも、、、

主治医が入院を切り出したとき、手話て゜入院したくないと必死で訴えた姿。

取り押さえられたとき、その場にうがくまり、聾唖者特有のうなり声みたいな声をあけだ姿が、目に焼きつく。

これしか道がなかったのも事実なんだけど、最良の方策でもない事は確かだ。

行き先が刑務所じゃなかっただけでも、よしという考えもあるだろうけど。

 

一抹の後味の悪さを覚えた、出来事だった。

 

病院を出たとき、大事なことを先生に伝えるのを忘れていた。

彼女は、血圧が高かったのだ。

 

 

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その時は、意外にあっけなくやってくる。 への6件のフィードバック

  1. ク~ より:

    フォトは相変わらず素敵!
    混沌とした世の中…
    今の部署はこれからも大変だと思います。
    息抜きしてね(^_−)−☆

    • タマ。 より:

      ク~姐さん、こんばんは。
      いや、今回は、あっけなく入院が決まって、あれよあれよという間に・・・そんな感じの出来事でした。
      息抜き、、、
      そうですねぇ、うまく出来るといいんですけど。。。

  2. 史津香 より:

    病院で基本的な健康状態は診るはずですよ。
    精神以外の身体的な健康状態によって使用できる薬かどうか確認する必要があるので。
    タマさん、お優しいですね。
    ご本人は当然のように「自分は病気じゃない」と思ってらっしゃるし、退院しても理解はできないままでしょうね。
    タマさん始め、とりまく皆さんが一番心配なさっている、犯罪に繋がってしまう前に、強制的に入院させるのは必然だと思います。
    冷静な判断の出来る医師で良かったです。

    • タマ。 より:

      史津香さん、こんばんは。
      何と言いますか、今回は、いろんな疑問があって、それが解消されず、モヤモヤが残ってしまっています。はたして、この入院で改善されるかどうか、そもそも一連の暴力が、病気の症状なのかどうか、、、
      ドクターとも、じっくり話できる状態ではないし。
      でも、走り出したんですから、後戻りもできません。何とか良い方向にと思ってるとこです。
      ちなみに、このヨクジツ、カノジョの自宅を訪れましたが、ネコは元気そうでした^^

  3. nagomi より:

    精神疾患は周囲も大変だけど、本当は本人も苦しい。。。
    でも、それを旨く表現出来ない、病気だから

    疲れ果てて、事件をおこし警察・・・
    過去、私はある女性の人格障害。。。に
    関わり、大変だった事を思い出しました

    刑務所はもっと、辛い・・・
    でも、普通の生活をする事も困難ですね

    しょうーーーもない、コメントでゴメンなさい

    • タマ。 より:

      nagomiさん、こんばんは。
      ぜんぜん、しょーもなくないですよ、ありがとうございます。
      いまだに、この事件の後処理をひきずって、毎日、忙しいです(笑)

      本人も苦しいし、周りもしんどい。
      確かに、そうですね。
      でも、時に、ぎりぎりの選択を迫られるときがあって、本人か周りか、どちらかを切り捨てるほかないみたいな。
      今回の保護入院は、実際には強制入院で、母親の安全を最優先した結果でした。

      先日、病院に一度、面会に行ったのですが、、再三「退院させろ」と訴えてましたね。

      また機会があったら、お酒に付き合ってください(愚痴を、こぼしてしまうかもですが)

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