書くかどうか迷ったけど、やはり書いとこうと思う。
やはり、記録しておくべきだと思うからだ。
昨日の朝、携帯に着信があった。
去年の夏、ふとしたきっかけで、関わりができ、それから時折、福祉事務所の人間と協力してケアしてきた人だ。
着信があった時、ボクは、ちょうど業者と電話していて出れなかった。その着信表示を見たとき、正直、「またか・・・」って思った。「今度は何があったんだ?」って。
業者との電話を終えた後、かけなおす。
出たのは、彼女ではなく、彼女の旦那だった。
“今朝、妻が亡くなりました。首を吊ったんです”
彼女は、台湾人だった。
彼女の人生は、決して幸せではなかった。
子どものころ、母親から虐待を受けていた。
大人になって来日した。
来日して最初に結婚した相手は、やくざ者だった。DVを受け、そのときの後遺症で下半身がうまく動かなかった。
売春も、やらされていた。
どういう経緯があったかは分からないけど、彼女は、その夫から逃げ、そして今の旦那と再婚した。
近くに身寄りとかなく、近所づきあいもほとんどない。二人で、ひっそりと静かに暮らしていた。
今の旦那は、とても優しい人だった。
彼女は、穏やかな人生を送れるはずだった。
死亡の知らせを聞き、すぐさま、上司に報告。
おそらく、今は、警察と医師がやってきてて、検死をしているところだとも話した。そして、彼女の家に行くことについて許可を得る。
そのとき上司は、
こちらに責任はないのだから、あまり関わっていないと警察に話せと言う。
“馬鹿かっ!!”って心の中で呟いた。
彼女の家に着くと、そこにパトカーか停まってる。どうやらまだ検死の最中のようだ。
彼女の旦那の携帯に電話をかけ、家の中に入っていいか尋ねる。
雨が降っていた。とても冷たかった。
家の中に入ると、彼女の旦那は、医師と数人の警察官に囲まれていた。
少し離れた場所で、その様子を見守っていた。
中に一人、顔見知りの刑事がいた。彼女のケアの関係で知り合った刑事だ。首からフィルム式のカメラをぶら下げていた。警察では、現場写真はデジカメではなく、フィルムを使うと聞いてたけど、ホントなんだな、と、そんな事を少し考えた。こんな時でも、ついカメラに目がいくのは悪い癖だ。
その刑事が、ボクを中まで入れてくれた。
彼女の旦那と、言葉を交わす。
それから、死亡届とか、火葬や埋葬の許可などについて話した。とりあえず、目先の問題を処理しなきゃならない。
いや、それ以外に、かける言葉が思い浮かばなかったのだ。
警察と医師が、帰った後、
“妻の顔を見てきていいか?”
と尋ねる。もちろん、どうぞと答えた。
彼は2階に上がる。少し離れてボクもついていった。彼女は、死亡したと思われる場所に横たわり、毛布に包まれている。彼は、彼女のそばにいき、言葉をかけ、そして泣き崩れた。ボクは、彼の目に入らないところまで、下がった。
しばらく待つ。
すると、彼が戻ってきて、「妻をベッドに連れていきたいんです。手伝ってくれますか? 一人では動かせなくって」と言う。
もちろん、承諾した。
頭を彼が持ち、ボクは足の方を持った。
“何かあったら、すぐに連絡してくださいね”
そう言って、彼女の家を後にしたとき、もうお昼前になっていた。
職場に戻り、上司に報告。
それから、福祉事務所の担当者(女性)と話す。職場に戻ってきたとき、彼女は別件の相談を受けている最中だった。
夕方、”顔見せ”という事にして、二人で様子を見に行こうと決めた。
後から聞いた話だけど、彼女に事の仔細を話したとき、どうやらボクは、泣いていたそうだ。。。
夕方4時過ぎ、二人で、職場を出た。
彼は、どうやらボクが教えた葬儀屋に電話したようで、1階の居間で彼女は寝てた。その前ではお香が焚かれ、お菓子の類が少し並んでる。あとコーヒーが置かれてた。彼女はコーヒーが好きだった。
ボクは、全然気の利いた事か話せなかったのだけど、福祉事務所の担当は、とても話がうまい。
ふと祭壇に、花がないことに気づいた彼女は、花を買いに行こうと言った。
正直、ボクは、そんな事にも気づかなかった。
二人で、近くのスーパーに行き、花と、線香、それから彼に少し食べるものを買った。おそらく一人では何も食べないと思ったから。
ボクらが、これ食べてと何か買ってくれば、少しは口に入れるかもしれない。
線香は、普通のものより、香りのあるものがいいかなって思った。白梅の香りのものと、ジャスミンの香りのものと、あともう一種類があったけど、ちょっと迷ったけど、ジャスミンのにした。
特に理由はなかったんだけど、何となく、これがいいかなって思ったのだ。
夜、たった一人で過ごす彼の事が気になったけど、いつまでも居るわけにはいかない。
携帯には職場からの着信が、たくさん入ってた(運転モードにしてて、着信音は鳴らないようにしてた)。
職場に戻ると、雨漏りしているという報告。
すぐに業者を呼んで、応急処置をした。とても疲れた。
帰宅途中にコンビニに寄る。
ライターのガスがなくなってしまって、火がつかなかったから、新しいのを買うためだ。
このとき、お昼のお弁当をまだ食べていなかったことに気づく。
お茶を買って、お弁当を食べ始めた。
とても冷たかった。
そして今日。
ボクは火葬場で、彼と二人で、彼女の骨を拾った。
他には、誰もいなかった。火葬場の職員以外。
“そのうち落ち着いたら、(ボクの職場へ)行きます”と彼が言い、
“ええ、ぜひ、来てください。お待ちしてます”とボクが言う。
そして、彼女のお骨を抱いて帰宅する彼を見送った。
そう言えば 、彼女はピンクが好きだって言ってた。
既出の写真だけど、これを贈ろう。
4人。
これで、ボクが関わってきた人間で、自らを殺めたのは4人だ。
また死なせてしまった。。。
また救えなかった。
これまで、4人も見殺しにした。
ボクの業は、とても深い。
こりゃ、死んでも天国には行けないな。
これを読む人がいたら
生きてください。
死ぬまで、生きてください。
どうか、お願いです。
タマ。さん こんばんは・・・・。
悲しいですね・・・・。
切ないですね・・・・。
自死を肯定する気はありませんが
死にたいというより、生きていたくないと思った事がある私には
どうしようもない辛さや、苦しみを抱え
心が壊れてしまった状況というのは、解るような気がするんです。
>生きて下さい 死ぬまで生きて下さい!
そうなんですよね。
当時、ネットで知り合った私と同じ経験をした母親で
私より5年以上先輩の方が
喪してまもない私や、他の人の為に発信された言葉に
「生きて下さい!今を!明日を!明後日を!とりあえず生きて下さい!!!
そうやって私も生きてきました!
苦しみや辛さは永遠に消えることはないけれど
時間や自然が、少しずつ痛みを和らげてくれますから・・・」
半信半疑で読んだ私ですが
今年、7回忌を迎えるこの頃になって
ようやく、あの言葉の力強さと、意味合いが解ってきたように思います。
辛くて苦しんでいる人に、そっと寄り添える優しさ
言葉なんていらないんですよね
寄り添って、背中をさすり「大丈夫だよ」って言ってくれればいいんですよね^^
タマ。さんには、そういった優しさがいっぱい詰まってる。そう思います。
ちえたんさん、こんばんは。
最初の一報をもらって、電話を切ったあと、ボクはその場の壁をたたきました。
とても悲しくて、やりきれなくて、悔しくてですね。
もっと出来ることはあったんですが、忙しさを理由に、やらなかったんです、きっと。自分の意識してないところで、楽をしようとしたんですよ、きっと。それを見透かされたような気がしました。。。
でも、実は、こんな気持ちをいつまでもひきずってられないという現状もあります。
昨日は、職場で傷害事件がおきまして、被害にあった人は、独居老人で、警察を呼び、病院に連れて行き、家にまで送り届け、近くに住む親戚を聴きだして連絡をして、帰宅したのは夜中になりました。
こんな事が日常茶飯事で起きます。
もっと、がんばらなきゃ^^/
あたたかいコメント、ありがとうございます。救われました。
あなたのせいじゃありません。
あなたは見殺しにもしていません。
大丈夫。私は貴方に助けられて今も生きています。
このコメント、少し涙が出ました。
昨年、ボクは、あなたに、ひどい事したのに・・・
ありがとう。
今も生きてくれてましたか。
ありがとう。
ボクは、また、あなたに救われましたね。
6年前と同じように。