すんごくあまい、メロンパン

※注 これから書く話は、とある体験を基にしていますが、基本的に、つくり話です。
 
 
君と出会ったのは、もう10年以上前のこと。
君は、とても痩せて、小さかった。
君は、いつも汚れた服を着てた。
君の顔は、すす汚れていた。
君は、ちょっぴり臭かった。
君は、いつも体のどこかに痣があった。
 
 
君は、ママが嫌いじゃなかった。
怖かっただけだ。
 
ぶたれると痛いし、ぶたれる時は、とても怖いよね。
 
だから、君はいつもママに怒られないように、家の隅で、体を丸めて、、、
何も喋らないで、息を殺して、、、
自分で自分の体を強く抱きしめて、座っていた。
寝てるところを起こされて、ママに怒られたこともあったね。
 
 
でも、君はママが嫌いじゃなかった。
怖かっただけだ。
 
ある日、二人でマクドナルドに行ったことがあったね。
後で職場の上司には怒られたけど(特定の人間にだけ、特別扱いするな。お前は子ども全員に同じことするのかって・・・)
チーズバーガーとポテト、君は、夢中で食べてた。
きっと、生まれて初めて食べたんだろう。
とても美味しかったんだね、きっと。
よそのうちの子は、こんなもん、いくらでも食べてるのに。
 
 
でも、君はママが嫌いじゃなかった。
怖かっただけだ。
 
君は、話してくれたね。
"ママは、(ときたま)メロンパン買ってくれるんだ"
"メロンパンは、すんごく甘くて、美味しいんだよ、知ってる?"
その話聞いたとき、内心、"すんごく甘いメロンパンは食べたくないな"って思ったけど。
ごめんね、そん時のボクは、辛党だったんだ。
 
 
でも、君はママが嫌いじゃなかった。
怖かっただけだ。
 
君の家に行ったことがあったね。
暗くって、汚くって、ちょっぴり臭うアパートの一室だった。
あたり一面に、空の酒瓶や、ビールの空き缶、カップラーメンやコンビニ弁当の空き容器が転がっていた。
そんなアパートの片隅で、小さく丸まって座ってた君の姿が、今でも忘れられない。
目だけが、とても光っていた。
 
 
でも、君はママが嫌いじゃなかった。
怖かっただけだ。
 
 
 
 
今日ね、職場から帰る途中、コンビニに寄ったんだ。
今日のおやつは、パンにしようとおもって、そのコーナーに足を運んだら、メロンパンが目についた。
君のことを思い出したよ。
だから、買って食べてみた。
君の言うとおりだったよ。
メロンパンは、すんごく甘くて、美味しかった。。。
 
すんごく甘くて、すんごく美味しかったから、ちょっと涙が出た。
 
案外、こんな子は、たくさんいます。どうか、自分の周りに、"あれ、この子、何だか様子がおかしいな"って思う子どもがいたら、最寄の児童相談所か、その子が通っている学校に連絡してあげてください。
 
 
 
 
 
 
 
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すんごくあまい、メロンパン への12件のフィードバック

  1. abend より:

    さすがタマさんですね。メロンパンをこんなに綺麗に撮れるなんて・・

  2. より:

    abendさん、こんばんは。はは、これは、今日買ったメロンパンですが、コンビニから出て、車の屋根の上に乗せて撮ったんですよ。もちろん、この後、新お気に入りの場所に行って食べました。美味しかったです^^

  3. 史津香 より:

    こんにちは(^▽^)先日最終回だったMOTHERという松雪泰子さん主演のドラマを思い出しました。タマさんは、そういう日常に遭遇することがきっと多いんでしょうね。二軒隣の家の家族構成さえ分からないこのご時世、こうした子供達が毎日恐くて悲しい思いをしているかと思うと、胸が痛みます。メロンパン、たまに食べると、やっぱり美味しいんですよね。

  4. G~ より:

    記事の最終コメント、了解です。いま、多いですよね。何で自分の子供を虐げることができるのか全く理解できないです。夕日に翳るメロンパンが悲しくなります。みんなが優しい両親でありますように。

  5. より:

    史津香さん、こんにちは。 こんな子に遭遇するのは、あまり、多くはないですね。 今まで二度くらいです。 でも、話は、とても多くて、子どもたちは、助けてという声を上げられないし、出してるサインも、ともすれば見過ごしてしまうほど小さくて。。。昨日食べたメロンパン、美味しかったです(実はハムカツパンを買おうと思ってコンビニに入ったんですが…) ちなみに、その子のウチに、メロンパンの袋は、ありませんでした。

  6. より:

    G~兄様、こんにちは。ん~と、まずは、親のストレスでしょうね。経済的な事とか、人間関係とか、原因は様々なんでしょうけど。 人間は、とても弱くて、そのハケ口を、子どもに向けてしまう人がいるのです。 メロンパン、美味しかったですよ。兄様も、たまには、どうぞ。ちなみに、メロンパンは、ハンバーガーより5円高いです(笑)

  7. なごみ より:

    メロンパンの写真はお見事です・・・子供って、何処かで親を好きで、嫌われたくないとゆう思いから身体を硬直させますよね怖くても親の愛を求めるのが、子供

  8. より:

    なごみさん、こんばんは。メロンパンは、新しく買ったレンズで撮ったんですよ。コンビニから出てきて急遽撮ったわりには、いい出来て゜した(笑)怖くても愛を求めるですかぁ。。。。そうかもしれません。きっと彼が、実際にメロンパンを買ってもらったのは、そう多くはないはずです。でも、そのときは嬉しそうに、メロンパンの話、してくれました。あ、いけない。この話はフィクションでした・・・彼は、何千夜、体を硬直させた夜を過ごしたんでしょうね。そんな彼に対して、当時の(まだ若かった)ボクはあまりに無力でした。

  9. ちえたん より:

    タマ。しゃん♪こんばんみぃ~♪お昼休憩チュに読ませてもらって・・・色々考えてしまいました・・・。その少年の・・・ママへの気持ち解ります!!!ママも愛してるんですよ・・・でも、自分がいっぱい・いっぱいで・・心が壊れてるのではないでしょうかね?子育て中は、色んな意味で、つまづいたり、心が壊れてしまいそうな時ってありますよね><そんな時に、寄り添ってくれて、支えになってくれる人がいたら・・・。自分のお子を、守ってやりたいってのは 本能だと思うのですよ^^ってか。。。自分の子供すら守ってやれなかったちえが言う事では無いかもですけどね・・・><。。。メロンパン!甘さの中に、涙のしょっぱさが見えてとても、感動しました^^ ありがとう~~♪

  10. より:

    ちえたんさん、こんばんは。この話は、あくまでフィクションですが、そうですね、ママは、心も体も壊れていました。。寄り添ってくれる人も、支えになってくれる人もいなかったんでしょう。もちろん、役所もきまり通りの事しかしません。というか、できません・・・たぶんメロンパンを買ってもらったのは、だいぶ以前の話だったんじゃないかなと、今では思います。そのときは、きっとママも優しかったのかもしれません。でも、そんな以前のやさしいママに戻るには、えらい時間がかかるんじゃないかって、当時は思いました。ホントにね、役人というのは、とても無力で、歯がゆくて、、、そんな記憶がよみがえってきてしまったのですよ、昨日は。はい、数年ぶりに食べたメロンパンは、甘じょっぱかったです。

  11. ちえみ☆ より:

    おはよ~痛い手になっては、いけません!虐待をテレビのドラマにするのもあんまり好きではありません。。。現実は、もっと悲惨です。心どころか虐待で体が不自由になったりしている子供もいます。。。

  12. より:

    ちえみさん、こんにちは。 現実は、もっと悲惨。確かにそうですが、それをリアルに表現したら、お話になりませんね。 この記事の基体験もそうです。だから、基本的につくり話なのです。 虐待で、命を落とした子が、この前、ニュースになりました。 子どもが出すサインは、とても小さくて、時に、見過ごしがちです。ボクも、何度か見過ごしてるかもしれません。 注意して見てないと…それから、この問題の背景には、親のストレスとかもあります。ホントなら、おやつにメロンパン買ってくれる優しい人なはずなのに、ってケースも多いです。ホントなら親のケアも、必要なんですが、、、(市役所は、そこまでやりません)何とも、やりきれない経験を、何度かしました。

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