ありがたい

この現代の世ってのはありがたい。
3度の食事には、よっぽどでない限り、ありつけるし、ほとんどの子どもは無事生まれてきて、育つ。
 
ところが、、、
わずか200年前までは、そうはいかなかった。
 
たいていの人たちは貧しく、米の飯でさえ、正月ぐらいしか食べられない。
毎日、食べられるか食べられないかのギリギリの生活を送ってたのだ。
緒方拳主演の「楢山節考」などは、それをよく表している映画かもしれない。
とにかく、食料自体がないのだ。。。
 
そんな時に、子どもを身篭る。
もちろん、その子が生まれてきたら、その一家は全滅する。
母親は、石段からわざと落ちたり、冷たい川の水に入って、子どもを堕ろそうとする。
 
ボクが住むところの近くに土浦という町があるが、その土浦のとあるお寺さんに、1枚の掛け軸が残ってる。当時の土浦藩主が特に命じて描かせたという絵が貼ってあるのだ。
その掛け軸には、「間引き」する母親の絵が描いてある。そして、その母親の顔は鬼になってるというものなのだ。
飢饉が起きて、食料が不足すると、この間引き(生まれたばかりの赤ん坊を殺すこと9が、あちらこちらで続発したため、それをとめようと当時の藩主が、その手の絵を何百枚と描かせて、領内のお寺さんに配ったんだそうだ。
 
壮絶な話だ。。。
 
間引きされる子どもは、生まれてすぐ、お乳を口に含むこともなく、葉親の温もりも感じることなく、殺されるのだ。
もちろん、そうせざるをえないほど、事態は逼迫してるわけで、誰を責めることのできる話ではない。
しかし、、、、
殺すために、子どもを生む母親は、どんな気持ちだったのだろう。
自分の不注意で、そんな思いを妻にさせる、父親は、どんな気持ちでその日を迎えるのだろう。
そんな事、考えると、とても胸がつまる1枚だ。。。
 
何年か前、テレビ東京で「壬生義士伝」という、時代劇がお正月にあった。
舞台となった盛岡藩が、幕末、未曾有の飢饉に見舞われた。下級武士の主人公は、もちろんその日の食料をようやく得て、何とか生きながらえているような生活だ。
そんな時、子どもができた。その子が生まれたら、確実に主人公一家は、全員死ぬ。そこまで追い詰められてた時の出来事だ。
母親は、お腹の子どももろとも、死のうと、入水自殺を試みる。幸いに、主人公はそのことに気づき、自殺しようとする妻を助けることができた。
そして、主人公は、脱藩して新撰組に入ることを決意する。
 
尊王の志があるわけでなく、風の噂で聞きつけた新撰組に入れば、一家が養えると思ったからだ。
そして、主人公は新撰組に入り、支給される給金や手当てを、毎月、家族の元へ送るのだ。
主人公の最後は、壮絶なものだった。
鳥羽伏見の戦で、傷つき、命からがら逃げてきた彼の前に、出身である盛岡藩の蔵屋敷があった。彼は、そこに逃げ込み、命乞いをする。その蔵屋敷の責任者は、彼の幼馴染だった。
しかし、情勢は官軍有利。彼をかばい立てすれば、藩がつぶれるかもしれない。幼馴染は、彼に自分の刀を差し出し、これで切腹しろと命じた。
 
でも、主人公は、その刀を使わなかった。そろそろ元服する長男に、その刀を渡すよう、また懐に残ってた金を家族へ送るよう頼み、彼は、刃こぼれして曲がった、ろくに切れない刀で、自害するのだ、腹はまともにきれない。頚動脈を切ろうとしても刃がなくなってるから、まともに切れない。苦しみもがいて、目をつついたり、あちこちを刺したりして、死んでいったのだ。。。
 
不景気とは言え、現代の世はありがたい。
日に3度、米の飯は食えるし、子どもだって無事生まれて育つ。
 
子どもができない人もいるだろう。
できても、生まれてきてくれない人もいるだろう。
不注意で、生むことのできない子どもを授かる人もいるだう。
 
みんな同じぐらい不幸だ。
 
でも、子どもができない、生まれないからって、ダメ嫁扱いされて、実家に帰らせされることはない。
生まれたばかりまの子どもを「間引き」することもない。
 
生きるか死ぬかって状況まで追い込まれることも、滅多にない。
生きるために、家族がバラバラになることだって、あんまりない。
 
現代の世は、ありがたい。。。
 
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ありがたい への12件のフィードバック

  1. ニコラス より:

    そんなに古い話ではありません!今から約100年前、日本政府は口減らしの為に国外移民政策を実行したのです。その数100万人。当時、奴隷制廃止を受けて、不足した労働力を補う為にこの複数国への日本人移民政策がとられました、日本国内農村部では「娘を売ります」との張り紙まで出されるくらい困窮していたと言われています。白いコメが食べれる、食べる物に不住しないと夢を持ち、国外移民をした人達の多くはマラリアでやられ、失意のうちに帰れるに帰れず棄民と呼ばれたそうです。そして今にち、歴史は繰り返しています。!

  2. より:

    ニコラスさん、こんばんは。おっしゃる通りですね。歴史は繰り返すとは、今、巷で話題になってる派遣切りの事でしょうか? それとも、日本にくる外国人労働者の話ですかね。食べ物に困らない。子どもをちゃんと生ませることがてぎて、育てられる。そんな社会を作ったのに、、、あらゆる意味で、逆戻りしそうになってるかもしれませんね、今は。

  3. ニコラス より:

    これは両方です!移民問題は100年前、派遣労働問題(構内請負工問題)は50年前のそれぞれの繰り返しで、労働問題は50年前の出来事があって労働組合が勝ち得た権利ですが、組合はそれを放棄、したがって今またに同じ問題が起きていると思われます。

  4. より:

    ニコラスさん、こんばんは。 両方でしたか。おっしゃる通りですね。 いつの間にか、そんな社会になってしまいました。。。せめて、子どもたちが大人になる頃には、もう少しマシになってて欲しいです。

  5. G~ より:

    気持ちはいろいろあります。でもね。かつては自分が生きるために弱者を殺めました。いま現在、自分勝手な思いで理性の欠落した人でなしが弱者を殺します。どっちも事実。どちらかを裁け。だったらG~は後者を裁きます。現在は昔よりおかしい。いま、肉親を手にかけるヤツは多いし、理由がおかしいでしょ?もっと穏やかに生きたいですね。

  6. より:

    G~さん、こんばんは。 後者ですが、はい大変な事です。 人間の欲というのは、際限がありません。3度の食事に事欠かないでいると、ホントはそれで十分なはずなのに、また何かを求めてしまいます。 生きるのに、必死な時ってのは、それだけで精一杯だったのにね。 面白半分で、人や肉親を殺す事件、たくさんありますね。悲しい話です。 汝の隣人を愛せよ そう言った、イエス・キリストの言葉を、思い出しましたよ(その点、G~さんは、愛しっ放しですね) ただ、イエス・キリストという人は、ドMですが(右の頬を打たれたら、左の頬を出せと言うぐらいですからね) あと、こんな言葉もあります。 復讐するは我にあり。 ↑これは、誰かに報復したい気持ちが起こったら、それを自分にぶつけろ、と言う意味らしいです。 立派な人です。 人の暗い情念や感情は、どうしたら、払拭できるんでしょう? 2000年後、こんな世の中になってるとは、イエス・キリストも思わなかったでしょうね。 でも、江戸時代に比べれば、はるかにマシだと思います。

  7. ニコラス より:

    昔、某都市で某国の女性がスーパーでパンを一個盗んで逮捕される事件がありました。自分はその女性の知人の依頼で、弁護通訳を引き受ける事となりました。すると事件の内容は次の通りでした。彼女が勤務していた職場を突然解雇され、派遣会社のアパートも即日追い出され、賃金は旅費立替費用と相殺され、手元には全くお金が無く、2日間食べるものなく、スーパーでパン一個を盗み食べたものでした。これは誰が裁かれるべきでしょうか?この件は(調査した結果、派遣会社の行為は相殺された旅費交通費は実費より数倍の金額で、さらに契約違約金名目の金額もあり、法律に違反している行為でした。これの過払い分75万円、と解雇手当賃金一ヶ月分20万円合計95万円を派遣会社より彼女に支払うように交渉しました)そのお金で彼女は帰国しました。もちろんパン代も支払いました。日本はまさに腐っています。

  8. より:

    ニコラスさん、こんにちは。それは、ひどい話でしね。悪い人ってのは、いちの世にもいます。まさしく不当な搾取ですね。 しかし、その昔は、この不当な搾取を、制度化していたのです。 この話を聞いて、レ・ミゼラブルを思い出しましたよ。食べ物も仕事もなく、一晩、泊めてもらったジャン・バルジャンが、その教会から、銀の燭台を盗んだ話です。 その教会の神父さんは、盗まれた燭台と彼を見て、「これは彼にあげたものだ」と答えるアレです。 そのパンを盗んだ人、その場にいたら、そのパン代を立て替えてあげる(もちろん、話を聞いて、必要な手もうちたいですが)そんな人間になりたいです。おかげで、ボクは、カモになりやすいんですが。 (お返事の方向がズレてしまったような気がします。すいません)

  9. yotsuba より:

    お友達のコメント共に、しっかり心に刻ませて頂きました。“間引き” についての思いは、此処にいるどなたより感傷的になってしまでしょう・・。写真…子供の元気な姿が毎日見られることは、しあわせよね(^_-)-☆

  10. より:

    yotsubaさん、こんにちは。ボクが見た絵はね、ホント、壮絶な絵でしたよ。なんと言いますか、、、とても胸につまる絵でした。はい、毎日、子供が元気にしてるのは、幸せなことです。たとえ、食べ残しのふりかけご飯に、お茶かけて食べることになったとしても。。(←ちなみにこれは、激マズでした)

  11. ニコラス より:

    そうなんです!子供が元気に遊ぶ なによりの幸せです!はい!

  12. より:

    ニコラスさん、おはようございます。おっしゃる通りですね。自分に子どもが出来て、しみじみ、そう思うようになりました。 子どもが元気に、外で遊べる社会を作らねばなりません。大人は。

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